■2017年12月 藉身(せきしん)されし救世主

福アウグスティンの説教

言は肉體と成りて、われらの中に居りたり。
恩寵(おんちょう)と真実とに満てられたり。
われら彼の光栄を見たり。
父の独生子(どくせいし)のごとき光栄なり。

(新約聖書 イオアン(ヨハネ)福音書1・14)

ハリストス生まる!

主イイススは母から生まれる前、父と共にいました。

神は救主を生む童貞女(どうていじょ、処女)を選び、主の生まれる日を選びました。

迷信を信じる人は特定の日を重んじます。作物を植える日を選ぶ人がいます。

新しい建物を起工する日を、結婚する日を特別の日とする人もいます。

こうして何か良いこと、繁栄するよう心秘かに考えます。

しかしだれも自分の誕生日を選ぶことはできません。

ところが主は、そのどちら(神の母と誕生日)をも選ぶことができました。

愚かな人たちは人間の運命を星占いによって決めますが、ハリストス(キリスト)は
そうすることで自らの誕生日を選んだのではありません。

ハリストスは生まれる日によって自分は幸福になりませんでしたが、
救主が生まれようと願った日は、祝福されるものとなりました。

事実、ハリストスの誕生日は、ハリストスの神秘の光を啓示します。

聖使徒はこの現実を表信しています(ロマ13・12〜13) 。
「夜はふけ、日は近づいた。だから闇の行いを脱ぎ捨て、光の武具を身につけよう。
日の中を歩むように、品位をもって歩もうではないか」

ハリストスの誕生日は「日」です。わたしたちも日となるよう願いましょう。

信仰無しに生きる時、わたしたちは夜の中に生きています。

不信仰は夜のように全世界を覆っていましたが、
信仰が育つにつれて不信仰がすこしずつ減っていきました。

すなわち、救主イイスス・ハリストスの誕生日によって
日は長くなり夜が短くなります。

皆さん、この日を厳かに守りましょう。

信仰のない人はその日を太陽にこじつけて守りますが、
そうではなく太陽を創造した主のゆえに守りましょう。

言葉である方が藉身(せきしん、受肉)されました。

わたしたちは太陽の下に生まれました。

たしかに太陽の下に生まれた肉體です。

けれども主の権威は全宇宙に及び、太陽はその一部に過ぎません。

今日、藉身された神は、太陽の上に立ちすべてを支配しています。

ところがある人たちは、知的に盲目のため真の義の日である太陽が見えず、
太陽を神として礼拝してしまうことがあるのです。
崇め 讃めよ!

(パウェル及川信神父)