主宰、主、わが神、ノイ(ノア)の舟におる者に、 和睦の徴(しるし)、洪水より救わるる號(しるし)たる、 橄欖(かんらん)の小枝(さえだ)をふくむ鳩を遣わし、 これをもって恩寵の奥秘(おうひ)を前兆し、 なんじの聖機密を行うがために橄欖の果をあたえ、 これによりて法律の下にある者にも聖神を充て 恩寵の下にある者をも全備する主や・・・・ (「聖事経」参照)
聖洗礼儀(洗礼式)において、聖なる膏(油)が全身に塗布されます。
日本正教会では進行上、身体の一部にしか塗布しませんが、本来は全身に塗り込みます。
祈祷文は、これを傅(つ)けると宣言します。香油には聖なる力が満ちています。
聖神(せいしん)の挙動(はたらき)と庇蔭(おおい)
不朽の傅(つけ)
義の武器
霊體の更新(あらたまり)
およその悪魔の挙動の遠隔(とおざかり)
およその悪の解離(はなれ)
香油すなわち喜びの油は、光照者を神の領域へ導きます。
霊と體とをいやすがため
教えを聴くがため
なんじの手 われを造り われを設けり
なんじが誡めの路(みち)を履むがためなり
香油は外から塗られ、そして食されることで内側から人を満たします。
新鮮なオリーブ油がお店で安価に手に入れることができるようになり、
正教徒としてうれしいかぎりです。(写真:大阪正教会 境内のオリーブ)
イイススがヨルダン川で前駆授洗者イオアン(ヨハネ)から洗礼を受けたとき
鳩のような形の、光の恵みが降福されたといいます。
それは鳩が両翼をすぼめて急降下するような姿なのでしょうか。
香油による恩寵、恵みは、急転直下、いま わたしたちに注がれています。
(パウェル及川信神父)